週刊ハーツ

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2023.08.19

週刊ハーツ 増刊号「声」

 夏の甲子園も大詰めを迎えている。
 制覇するチームが気になるところだが、我ら南海ハーツもGリーグの優勝戦線にいる。

 攻守の戦力に加えて、もう一つの力は「声」である。
 自チームの選手を鼓舞する声、相手チームの好プレーを称える声。
 草野球において、声の存在はとても大きい。
 エールに励まされ、自分の力以上の結果を打席で表現できたり、逆に心無い声によって意気消沈してしまうことだってあるだろう。
 野球とは“心”のスポーツと思う所以だ。

 今年の南海ハーツで声が一番印象に残るのは新入団の丸山さん【39】だ。高松さん【49】の大学の同級生で、当時から野球センスにあふれていたそう。2023年は南海ハーツにとって記念すべき年で、シニアリーグ参戦初年度である。それに伴い、丸山さん、岩田さん【36(仮)】、中原さん【44】がメンバーに加わった。それぞれに野球を楽しみながら、新たな力としてハーツ野球に貢献してくれている。3人ともシニアの試合だけでなく、スケジュールが合えば土曜の野球にも参加し、チームに馴染んでいる。

 丸山さんの太く力強い声はグラウンドにしっかりと響きわたる。試合後のチーム飲みでは物静かでノンアル。賑やかで大酒飲みのハーツメンバーの中では異色の存在だ。野球部経験も大きいのだと思うが、丸山さんは内外野どこを守っていても、投手に対し、仲間のプレーに対し、鼓舞する前向きな声を常にかけてくれる。はっきりと耳に届くのだ。素晴らしい声だと思う。
 外野がメインの土屋さん(つっちー)【13】も同様に前向きな声かけが印象に残る選手だ。つっちーもまた物静かで真面目、チーム運営面でも堅実に貢献してくれる若手期待の星である。
 普段静かなメンバーほど、内に大いなる情熱を秘めていて、試合時にそれが自然に現れてくるのではないかとも思う。

 そうそう、声といえば思い出すのは、私が東京Crazy9というチームで主に火曜に草野球をしていた頃、当時の自分は打撃も守備も三流で、なかなかチームに貢献できないことが歯痒く、そしてメンバーに申し訳なく思っていた。それと同時に選手としての危機感も……。このままではいけないと。そんな気持ちで迎えたある夏の試合、一つの誓いを立てた。攻守走の技術的なことではなく、ただひたすらに声を出し続けようと。グラウンドでもベンチでも、試合の最初から最後まで、誰より大きな声を! そうしたら、不思議と打席でも結果が出て、ボテボテの内野安打を含む人生初の猛打賞。この時、急に視野が開けた気がして、素振りなど練習に打ち込む日々のきっかけになった。
 声を出し、声に救われた夏の日。今もこの胸に残っている。

文責【6】

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