週刊ハーツ

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2019.09.28

09月28日 シルバーキッズ戦 5-12

2019年9月28日 15:00~17:00
世田谷区総合運動場(ビジター)
フリーマッチ
【シルバーキッズ vs 南海ハーツ】

H 200 021   5
S 321 06x  12

投:今泉〔負〕-小西
捕:綿貫-筒井

本塁打:なし
三塁打:なし
二塁打:なし

 1 (指)山口【31】
 2 (右)小西【29】
 3 (二)藤本【 5 】
 4 (左) 森  【 0 】
 5 (三)兵藤【23】
 6 (指)高松【49】
 7 (捕)綿貫【14】
 8 (一)筒井【18】
 9 (遊)横井【 6 】
10(中)久原【24】
11(投)今泉【63】

★ハーツ表彰★
殊勲賞=なし
敢闘賞=小西(4回裏、相手の上位打線を三者凡退に取る好投。勢いのある速球に加え、走塁でも積極性光る)
技能賞=横井(強いスイングで基本に忠実のセンター返しを披露)
技能賞=兵藤(コンパクトで確実性のある打撃で1回表、鮮やか左前打)
技能賞=筒井(最終回の中前適時打の打球は強烈。1打席目も好守に阻まれるも変化球を巧くすくう)
守備賞=なし
山山賞=なし

動画はコチラ

 ラグビーW杯で日本が強豪・アイルランドに勝利した2019年9月28日。その試合の裏側で、世田谷区総合運動場では11人態勢で臨んだハーツがシルバーキッズと対戦。こちらも会心の1勝を―。という願いも叶わず、試合は相手の長打力、そしてバッテリーを中心とした堅い守りに屈し、5対12と完敗。ただ、そのような試合展開の中でも随所に好プレーが光った。

 先制したのはハーツ。1回表、二番・小西が敵失で一気に二塁を奪うと、三番・藤本が四球で出塁。さらに五番・兵藤〔左1〕が鋭い打球を左前へ放ち2死満塁とする。このチャンスで頼れる六番・高松〔中1〕が基本通りのセンター返しで1点を挙げると、続く綿貫〔右1〕も1ボール2ストライクからファールなどでキッチリ粘り、押し出しの四球を選び追加点。畳みかけたい場面で迎えるは「打撃絶好調」の八番・筒井。低めの変化球を巧く拾いセンターへ運ぶも〔左2〕、この打球を相手がスライディングで好捕〔右2〕。大量得点とはならなかったが、2死からの2得点、さらにナインも鋭いスイングを見せ、上々の滑り出しだ。

 ただその裏、相手打線の力はハーツの上を行った。先発・今泉〔左〕がテンポの良い投球で2死を奪うが、相手四番に左中間へ2ラン〔中〕。両翼77メートルの場外へ消える一発で同点とされる。さらに相手六番には左中間へ二塁打。味方の失策も絡み2対3と逆転されてしまった。2回裏も相手三番打者が場外へ2ラン〔右〕。上位打線の破壊力を見せつけられる形となった。

 こんな時こそ、打撃戦に持ち込みたいハーツ。2回表は先頭の横井〔左〕が鮮やかなセンター返しで出塁。だが、その後、横井は二盗を試みるも、相手捕手の強肩の前にタッチアウト〔右〕。「チーム盗塁王」が刺されてしまったことにベンチに少なからず動揺が走る。加えて、相手先発投手の大きなカーブを交えた緩急をつけた投球の前に打線は2~4回までゼロ行進。反撃の芽をつまれてしまった。

 試合は4回表終了時点で2対6。その裏からは流れを変えるべく小西〔左1〕がマウンドへ。投飛、中飛と淡々と2死を奪う。続く四番打者を三ゴロに打ち取りチェンジ――。と思いきや、この回から三塁についた森がトンネル――。「やっべーー」と森が思うのも一瞬、この打球をショートに回った今泉〔右1〕が処理し、一塁への正確送球でアウトをもぎ取る好守を披露。味方の失策を帳消しにする冷静なプレーもあり、小西は強力上位打線を三人で斬って取ってみせた。そして、その投球はチームに勢いをもたらす。直後の5回表、久原が敵失で出塁すると、その後の初球で二盗に成功。さらに暴投で三進を狙う間、相手捕手の三塁への悪送球を誘い、ホームイン〔左2〕。続く今泉も四球で出塁し二盗〔中2〕三盗を決め、小西の中犠飛〔右2〕で生還。この回、機動力を絡め2点を奪い、4対6と詰め寄った。


 ただ、その流れもつかめず5回裏の守りは4安打を浴びるなど6失点。小西も内外に勢いよく速球が決まる場面を見せるも、全体的には制球を乱す結果となり4四球。ボールは走っているだけに、歯がゆい展開となってしまった。

 6回表は森〔左〕が右前打で出塁し敵失で三塁へ進塁。なお1死一、三塁とし筒井〔右〕がセンター前へはじき返し1点を返すも反撃はここまで。5対12と完敗だった。

 それでも高松がDL入りするなど投手陣が万全ではない中、今泉が試合の序盤を作り、小西の速球で抑えるという継投の形を見せたことは次戦以降に向けて好材料ではなかったか。さらに相手捕手の好送球を見せられた後も小西、久原、今泉が積極果敢な走塁を披露。失敗を恐れずプレーできたことも、チームを鼓舞する要素となりそうだ。

 次戦の新宿ブンブン戦は久原、小西の若手は不在。その中、彼らのもたらしてくれた勢いをどうつなげられるかもこの試合の焦点となりそうだ。通算200安打まであと「2」と迫る山口の打撃や、太田のなんらかの最年長記録更新がかかるなど見どころ満載のゲーム。果たしてどのような結末が待っているのか。

【文責・背番号0】

2019.09.21

09月21日 バーターず戦 4-8

2019年9月21日 14:00~16:00
亀戸野球場A面(ビジター)
フリーマッチ
【バーターず vs 南海ハーツ】

B 200 211 2  8
H 210 100 0  4

投:兵藤-横井〔負〕-今泉
捕:筒井-綿貫

本塁打:なし
三塁打:なし
二塁打:笠原

 1 (中)久原【24】
 2 (遊)今泉【63】
 3 (指)高松【49】
 4 (捕)筒井【18】
 5 (一)横井【 6 】
 6 (三)綿貫【14】
 7 (右)清水(博)※
 8 (二)笠原※
 9 (左)永山【36】
10(投)兵藤【23】
※は助っ人

★ハーツ表彰★
殊勲賞=なし
敢闘賞=兵藤(先発投手の責任を果たし、打席では貴重な同点タイムリー!)
技能賞=なし
守備賞=なし
山山賞=なし

動画はコチラ

 久しぶりに東の地で試合となった亀戸野球場のバーターず戦。最終的には突き放された南海ハーツだったが、中盤までは接戦を繰り広げ、心地よい緊張感の中で野球ができた。

 ハーツの先発は兵藤〔中〕。永山監督時代には、外野手から内野手へと適性を見出されたが、今シーズンは高松監督が投手としても積極起用。最近は先発ピッチャーとしての姿が板に付き、野手も安心して守ることができている。初回はバーターずに2本の安打が出て2点を先制されたが、5番6番を連続サードゴロに打ち取り、まずまずの立ち上がり。この試合、三塁手として先発出場の綿貫も無難に2つのゴロを捌いた。

 1回裏ハーツの攻撃、久原、今泉が連続エラーで出塁すると、一死二三塁で迎えるは四割バッターの4番筒井。サードゴロとなるが、三塁手のホーム送球がランナー久原の頭に当たり、ホームイン〔左〕。つづく横井のサードゴロでも今泉が好走塁を見せ生還〔右〕。ラッキーなかたちでハーツは2-2の同点に追いつく。

 2回裏、ハーツは助っ人参加の8番笠原選手〔左〕がきれいに右方向へ打球を飛ばし、二塁打。そして9番永山〔右〕の打球を遊撃手が後ろに逸らす間に笠原選手がホームインし、この回もラッキーが続き、ハーツは3-2とリードを奪う。

 兵藤は2回、3回と打者4人ずつで無失点で切り抜け、ゲームを作っていく。4回こそ2本の安打で2点を失い逆転を許すが、この回だけでも2奪三振、先発投手としての責任は充分に果たした。その裏にも、光ったのは兵藤〔中〕の打撃だ。二死一三塁から、完璧な当たりのレフトへのタイムリーで、再び試合を振り出しに戻す。投打の活躍で、兵藤は敢闘賞を獲得した。

 5回表から登板したのは横井〔中〕。約1年ぶりのマウンドとなり、緊張しながらの船出となったが、5回は自責なしの1失点。まずまずの投球だった。しかし欲が出た6回は、いつもの横井劇場となってしまった。この回だけで4四球。一番の課題の制球難は今年も解消できていないことを露呈する。しかし3つのアウトはすべて三振。ひとりでピンチを作り、ひとりで切り抜けるという、まさかの自作自演投球。筆者の脳裏には、近鉄時代の野茂投手の投球スタイルが浮かんだが、「それは譬えが良すぎる!」とチームメイトの突っ込みが入るのは間違いない。

 そして最終回のマウンドに上がったのは今泉〔中〕。現在、投手としての安定感では群を抜く存在。7月以降ハーツが勝った2試合は、いずれも今泉が3失点、2失点と好投した週だ。彼の一番の良さはコントロール、そしてテンポの良さ。それがあるから守備陣も守りやすい。守っている時間が短いから、打席でも集中でき、その好循環が勝機につながっていく。
 この日の四球に注目するなら、先発の兵藤は4イニングで毎回1つずつの4つ。対する横井は先述のとおり1回だけで4つ。今泉は1つだけ。横井は論外だが、兵藤は大崩れしない強さがあり、今泉は毎試合本当に四球が少ない。コントロールで言えば、高松もいつも安定した投球を見せている。やはり投手に最も必要なのは制球力。特に草野球ではグラウンド使用が2時間(試合としては約1時間40分)という制限があるため、テンポの良い選手こそ名投手と言えるだろう。
 現在の南海ハーツには、新入団の豪球投手・小西もいる。友人の久原も初登板を心待ちにしている。もしかすると、それより先に親友バッテリーが実現するかもしれない。そして右の岩本、左の松尾と、既に実績充分の投手の存在も大きい。
 今はあらゆる選手に登板機会の可能性がある。Gリーグの全日程を終了したハーツには、これからいろいろチャレンジできる土壌も揃っている。秋はさらなる競争の場となるか。

 最後にこの日の打撃に目を移そう。ハーツが放った安打は計3本。得点にこそ絡まなかったが、3回の筒井〔中〕のレフト前がここで紹介する3本目だ。しかもその3本は散発。これでは大量得点は難しい。打撃好調で勝負強い高松、筒井の前にどれだけランナーを溜めることができるか、そしてクリーンアップ以外のところで、しっかり打線としてつながっていけるかが今後の試合では大事になる。

 次のシルバーキッズ戦に、南海ハーツは13人で臨める予定だ。この試合は大人数を楽しみ、そして10月に続くGリーグチームとのフリーマッチで、収穫の秋となる野球を見せたいところだ。

【文責・背番号6】

2019.09.14

09月14日 新宿ブンブン戦 8-2

2019年9月14日 13:00~15:00
東台野球場A面(ビジター)
Gリーグ 第8戦
【新宿ブンブン vs 南海ハーツ】(2試合目)

H 116 000 0  8
B 100 000 1  2

投:今泉〔勝〕-松尾-小西
捕:綿貫

本塁打:なし
三塁打:なし
二塁打:筒井2、久原

 1 (遊)松尾【17】
 2 (捕)綿貫【14】
 3 (指)高松【49】
 4 (二)筒井【18】
 5 (右)小西【29】
 6 (左)横井【 6 】
 7 (中)久原【24】
 8 (投)今泉【63】
 9 (一)藤本【 5 】
10(指)永山【36】
11(指)宮本【19】
12(三)兵藤【23】

☆Gリーグ表彰☆
最優秀=今泉選手(南海ハーツ)
 優秀=筒井選手(南海ハーツ)
 優秀=田中舘選手(新宿ブンブン)

★ハーツ表彰★
殊勲賞=今泉(6イニングスを被安打5、奪三振7、失点1。勝利投手に)
敢闘賞=筒井(先制適時二塁打。4打点をあげる)
技能賞=久原(2回、判断よく内野ゴロで得点。3回には左越え適時二塁打)
守備賞=筒井(中堅に抜けそうな当たりを逆シングルでさばき、追加点を許さず)
守備賞=小西(右前打を圧巻の強肩で一塁に刺す)
山山賞=綿貫(三度目の正直で、捕邪飛を捕球。ホッと肩をなでおろす)

動画はコチラ

 早くもGリーグ最終戦。相手は前回苦杯をなめた新宿ブンブン。先発も、前回同様、軟投左腕だったが、3回には5安打を集中するなど、3回までに8得点を奪い、守っても先発今泉〔中〕が相手打線を立ち上がりの1失点に封じ、ハーツが快勝。今期のGリーグ対戦成績をなんとか4勝4敗の五分の成績に持ち込んだ。

 この日のハーツは20代、40代、50代、60代と並び立つメンバーが、最後まで集中力を途切れさすことなく、7回フルイニングを戦い抜いた。さすがに5回からの3イニングは三者凡退に終わったが、打っては4番筒井〔中〕の適時二塁打2本を含む7安打、7盗塁、8得点、守りでも無失策と、ハーツ得意のここぞというときの集中力を遺憾なく発揮した。なかでも先発の今泉は制球良し、テンポ良しの投球で、相手打線から7三振を奪う力投80球、試合を締めた。

 初回、敵失出塁の綿貫が初球から二盗を敢行。二死後、今期絶好調の筒井が三塁線を破る適時二塁打を放ち、先取点をあげた。二回は四球出塁の久原が三盗を決めると、藤本の三塁ゴロでスタートダッシュよく本塁を駆け抜け〔左1〕、追加点を奪う。続く三回、先頭の宮本〔中1〕が内野安打で出塁、二盗。綿貫〔右1〕、筒井〔左2〕、横井〔中2〕、久原〔右2〕と、この回、さらに4安打を浴びせ、一挙6得点のビッグイニングにつなげた。

 守りで光ったのは、今期途中入団の小西の強肩、攻守。3回の右前打で披露した強肩〔左〕で相手ベンチは一気に静まりかえった。三塁守備でも、ベース付近からの正確な送球、華麗なジャンピングスローと、ここ最近のハーツにはない若さあふれるプレーは、ベテランたちにも程よい刺激となっている。最終7回二死からの登板〔右〕では、勢いあるボールをまだまだ十分には操れず、最後の一死をとるのに苦労したが、今後登板機会が増えていけば、ハーツ野球での打ち取り方にも慣れていくだろう。

 先週に引き続き参加の松尾も、打ではイライラの募る結果に終わったが、7回からの救援登板〔中〕では十分に持ち味を発揮、小西につないだ。

 久方ぶりでの完勝。この勢いで、残りゲームも白星を重ねていきたいものだ。
 通算200安打達成まで残り2本の山口も、9月最終週から復帰の予定だ。一方、気がかりなのは、高松監督の回復具合と、永山の腰痛。重鎮2人の活躍なくしては、反省会の士気にも影響が及ぶ。年内どれだけ美味しいお酒が飲めるか、2人の今後のプレーにかかっている。

【文責・背番号23】

2019.09.07

09月07日 恵比寿アタック戦 8-14

2019年9月7日 13:00~15:00
下高井戸運動場B面(ビジター)
フリーマッチ
【恵比寿アタック vs 南海ハーツ】

H 205 01   8
A 406 22  14

投:兵藤-松尾〔負〕-小西
捕:筒井-荒牧

本塁打:なし
三塁打:小西
二塁打:小西

 1 (左)松尾【17】
 2 (中)久原【24】
 3 (遊)荒牧※
 4 (捕)筒井【18】
 5 (一)横井【 6 】
 6 (右)小西【29】
 7 (三)清水※
 8 (二)藤本【 5 】
 9 (指)永山【36】
10(指)宮本【19】
11(投)兵藤【23】
※は助っ人

★ハーツ表彰★
殊勲賞=なし
敢闘賞=小西(猛打賞で4打点、本盗も。ユニフォームデビュー戦を見事に飾る)
技能賞=筒井(初回二死からの先制タイムリーは流石4番の働き)
技能賞=横井(試合の大勢が決した後のヒットは今や代名詞!? とはいえ2打点)
守備賞=久原(外野を抜けそうな当たりを滑りながら抑え、大量失点を阻止)
山山賞=なし

動画はコチラ

 馴染みのある下高井戸運動場。しかし今回はいつものホームではなく、恵比寿アタックさん主催。南海ハーツは三塁側に陣取った。長年対戦している強豪相手に、勝ちをものにすることはできなかったハーツだが、新ユニフォームを披露した背番号29の若サムライの躍動が印象に残る試合となった。

 1回表、ハーツは二死二塁から、Mr.フルスイングの4番筒井が会心のレフト前適時打〔左〕で1点先制。横井の死球で一二塁とすると、6番小西〔中〕がセンターへの鋭いタイムリー二塁打。フルカウントで筒井、横井ともにスタートを切っていたため、3点目も狙えたが、ホーム寸前で横井がタッチアウト〔右〕。あと少し脚が長かったら……という悔やまれる走塁で、2点止まり。

 ハーツの先発は、ここ最近好投が続いている兵藤〔左〕。先頭打者をピッチャーフライに打ち取り、この日も期待が膨らんだが、相手は百戦錬磨の恵比寿アタック打線。2番打者の右中間二塁打を起点に、まず1点を返し、ランナーが溜まったところで、6番打者がレフトへ低い弾道のライナー〔右〕。打球はレフトフェンスまで届き、ランニング3ランホームランに。アタックが4-2と逆転に成功する。
 そして次打者の打球はショートへの深いゴロ。この日は、永山の友人の息子さんである荒牧選手(大学3年生。高校球児時代にはチームが県予選決勝に進んだ)が助っ人参加でスタメン遊撃手。見事に打球に追いつき、素早く一塁へ送球。低い軌道のツーバンで一塁手の取りやすさも考えた頭脳プレーだったが、横井がバウンドを合わすことができずにランナーを生かしてしまう。ここはファインプレーをアシストするキャッチングを見せてほしかった。

 2回表のハーツは、8番藤本〔中〕がセンターへ技ありのヒットで出塁するが、後が続かず無得点。その裏、兵藤も立ち直り、ランナーこそ出すものの、しっかり無失点で切り抜け、試合の動きが止まったかに見えた。

 しかし3回表、再びゲームは動き出す。この回先頭は1番松尾〔左〕。実に5カ月ぶりのハーツ野球登場だが、チーム一の運動神経の持ち主。ブランクを全く感じさせないシャープな振りで、綺麗なセンター前。無死一二塁となったところで、先ほど紹介の3番荒牧選手がライトへしぶとくヒット〔中〕、満塁とする。一死となり、5番横井の打球は強いゴロだったものの前進守備のショートがキャッチ。本来ならホーム封殺だが、ここで三塁ランナー松尾の野性味あふれる走塁が飛び出す。タイミングはぎりぎりだったが、勇猛果敢なスライディングで、野選を誘いホームイン〔右〕。これで3-4の1点差に。

 ここで打席に入るのは、背番号29をお披露目した小西。懐の広いフォームからバット一閃、文句なしのジャストミートで、打球はレフトへ〔左〕。満塁の走者一掃となる値千金の三塁打で、6-4と逆転! この時点で4打点。ノリにノッている小西ワールドはこれだけでは終わらない。藤本の打席時に、捕手から投手への返球の隙を見逃さず、ホームスチール成功〔右〕。大技、小技を織り交ぜ、一人で大量点を演出した。

 大きくハーツに傾いた流れだったが、底力のあるアタックはすぐに反撃を開始する。
 3回から登板した松尾〔中〕に対し、ランナーを溜めたところでタイムリーが出るなど、隙のない打線のつながりで、6点を挙げ、10-7と再逆転。4回にも2点を追加したアタックが試合の主導権を握る。

 最後の攻撃となった5回表、先頭の2番久原〔左〕がレフト前安打。会社の同僚で同い年、小西を南海ハーツに誘った本人だけに、29番の活躍に刺激を受けたことは間違いない。「俺が出塁するから、返してくれよ」そんな心の声が聞こえてきそうな打席だった。その通りに小西が返す展開になれば理想的だったが、その一歩手前、5番横井〔中〕にも意地があったようだ。盗塁で二塁まで進んでいた久原をセンター前ヒットで生還させ、8-12に。“試合が決まってからの男”というネーミングを払拭できるかは、今後に期待しよう。そして最後も小西。三遊間への深い当たりで、俊足を活かし、内野安打で猛打賞達成〔右〕。本塁打を除く、準サイクルヒットという大活躍だった。

 5回裏、最終回のマウンドに登ったのも小西。投手デビュー時は、速球が目立ち、コントロールには課題を残していたものの、それ以降は腕の高さを微調整するなどコントロール重視の投球がきちんと意識され、守っている野手陣の信頼も得てきている。この日も2点は失ったものの、次回に期待が持てる内容だった。

 試合は14-8で恵比寿アタックが南海ハーツに勝利。最終的な点差は離れたが、ハーツが先制、再逆転するなど、ワンサイドという展開ではなかった。強豪相手に、いい試合ができたのではないかと思う。
 久原、小西の二十代選手がはつらつとしたプレーで魅せ、久しぶりに参加の松尾も確かな存在感を見せる。現在の主軸を担う3番高松(この日は怪我のため監督采配に専念)は3割後半、4番筒井は秋に入っても4割キープと抜群の安定感である。内野の堅守だけでなく、投手としての能力も開花し始めている兵藤。外野のポジショニングの良さと(先日のピッチングも)、バットコントロール健在の宮本。しぶとく広角にヒットを放つ藤本。本人は“守備の人”と言うが長打力に年々磨きがかかっている永山。この日の参加メンバーだけでも多彩なメンバーが揃うハーツ。
 次週の今季Gリーグ最終戦・新宿ブンブンとの対戦では、さらに多くの選手がグラウンドに集まってくれることを願いたい。

【文責・背番号6】

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