週刊ハーツ

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2020.11.28

11月28日 TEAMシゲル戦 5-3

2020年11月28日(土)13:00~15:00
舎人公園野球場1面(ビジター扱い)
Gリーグ第8戦
【TEAMシゲル vs 南海ハーツ】(2回戦)

H 011 03  5
S 021 00  3

投:矢野-住吉〔勝〕
捕:筒井

本塁打:なし
三塁打:なし
二塁打:なし

 1 (中)久原【24】
 2 (左)小西【29】
 3 (一)高松【49】
 4 (捕)筒井【18】
 5 (遊)住吉【51】
 6 (二)綿貫【14】
 7 (三)横井【 6 】
 8 (右) 森  【 0 】
 9 (投)矢野【32】

☆Gリーグ表彰☆
最優秀=矢野選手(南海ハーツ)
 優秀=森選手(南海ハーツ)
 優秀=外山選手(TEAMシゲル)

★ハーツ表彰★
殊勲賞=久原(値千金の同点タイムリー。俊足を活かし2得点)
敢闘賞=矢野(Gリーグ初先発で3イニング、勝利に貢献)
敢闘賞=住吉(ここを抑えれば3位の場面で、気合の投球)
技能賞=筒井(ショート左への強いゴロでチーム初ヒット。勝利打点も)
技能賞=森(最終回に反撃の口火を切るレフト前安打)
技能賞=綿貫(右指のケガを感じさせない、安定の送球かつ冷静な判断で失点を防ぐ)
守備賞=なし
山山賞=筒井(時間切れだと負けの場面で、果敢に三盗。ナイス走塁だが、ベンチはドキドキハラハラ…)

動画はコチラ

 今シーズンの優勝は逃した両チームだが、Gリーグ全日程の最終戦となるこの試合、互いの力を存分に発揮したい。
 南海ハーツは1、2番が久原&小西の仲良しコンビ。3、4番は不動の高松、筒井。住吉はクリーンアップに名を連ね、ポイントゲッターの綿貫が続く。横井を挟み、久しぶりに参加の森、そして新人・矢野がGリーグ初先発。

 1回表のハーツの攻撃は三者凡退に終わり、先発の矢野〔中〕がマウンドへ。先頭の山口選手にデッドボールを与えるが、3番高橋選手からは三振を奪うなど、危なげなく初回を無失点。

 TEAMシゲルの先発は小松投手〔左〕。2回表、4番筒井〔中〕がショート左へのグラブをかすめるヒットで出塁。二死三塁で、6番綿貫はタイミングを外されながらも、セカンドへ緩いゴロを打ち〔右〕、筒井がホームインしやすいようにアシスト。ハーツが渋く1点を先制する。
 2回裏、シゲルは4つの四球を選び、エラーと押し出しで2点。2-1と逆転する。この日の矢野は制球がいつもより悪く、ランナーを溜めてしまったため、ここまで被安打0ながら、惜しい失点となった。

 3回表、ハーツは二死から1番久原〔左〕が四球を選ぶ。盗塁後、2番小西〔中〕も四球。ここで若き1、2番は果敢にダブルスチール。チャンスを広げ、高松、筒井、住吉のクリーンアップに託す。その後パスボールがあり、俊足の平がホームイン〔右〕。足で稼いだ貴重な同点シーンとなった。

 なおも3番高松が低目の誘い球をさすがの選球眼で見極め、二死一三塁。勝ち越し打のことしか頭になかった筒井はおもむろにバッターズボックスへ〔中〕。ここで綿貫から「筒井さん、レガース!」。なんと筒井はレガースを着けたまま打席に立つところだった。そのピンチを救った綿貫が、試合では守備で技能賞を獲得したわけだが、本当の選出理由はこの場面だったのかもしれない。ヒット以外で拡大写真で取り上げられるのは、なかなかいないだろう。なんだか山山賞の匂いが漂い始めた筒井は、いつもと変わらずフルスイングするも、打球は高く上がりセンターフライ。勝ち越しとはならなかった。

 3回裏、シゲルは先頭の4番佐々木選手が四球。二盗を決めると、一気呵成で三盗も試みる。ここで6番松平選手の打球はサードゴロとなり、ヒットエンドランのかたちに。サード横井は打者走者のアウトを優先し、ファーストへ送球するが、この間にスピードを緩めることなくホームを目指した佐々木選手は好走塁〔中〕。横井の一塁送球が高くなってしまったこともあり、本塁は間に合わず。シゲルもハーツに負けず、足で勝ち越し点をゲットした。
 矢野は初先発を3回3失点で終えたが、実は1本もヒットを打たれなかった。四球は惜しまれるが、力のある球がシゲル打線を苦しめたことになる。ひとつずつ経験を積んでいる今、矢野の成長にはさらに期待したい。

 4回表のハーツは三者凡退。その裏から住吉投手〔左〕にスイッチ。一死満塁のピンチを背負うも、ここでセカンドの綿貫〔中〕が普通のプレーに見せかけたファインプレー。前進守備でセカンドゴロを捌くと、ゆったりめの送球体勢で、安全策の一塁送球かと思いきや、作戦通りの本塁送球。これがまたゆっくりストライクで捕手・筒井のミットに収まり、ホームでホースアウト〔右〕。ここを無失点で切り抜けたことが最終回につながっていく。

 5回表、先頭の8番森〔左〕はボールを巧く捉え、レフトへのヒットで出塁。盗塁後、9番矢野も四球で続き、打席に入るのは元気印の久原。なんとしても同点に追いつきたい場面。ここで久原はコンパクトにバットを振り切り〔右〕、打球は三塁線へのライナー。三塁手がグラブに当てるも弾かれ、ボールはファウルグラウンドに転がる。この間に森がホームイン。ハーツは同点に。

 一死二三塁で高松〔左〕も貫録の四球を選び、満塁。筒井〔中〕も打ちたい気持ちがあるなか、きっちり見極め押し出し四球。ここでハーツがついに勝ち越す。この後、ワイルドピッチでさらに1点を追加。ハーツにとっては願ってもない展開だが、この日はビジター。つまり裏のシゲル打線を抑えないかぎり、勝ちとはならないのである。時間切れとなれば、この回の得点も記録されない。そんな二死二塁の場面で、筒井は隙を突き、まさかのスチールを敢行〔右〕。しかも完璧なスライディングで三塁を陥れる。本来なら、好走塁でベンチからも拍手となるのだが、首脳陣は時計を見ながらハラハラ…。時間など気にしない、そこに空いた塁があるなら、前へ前へ。筒井の野球本能は実に潔く美しい。

 5-3と2点リードで迎えた5回裏、住吉は勝ち投手兼クローザーの役割も担う。ここでしっかりフライ2つとゴロで三者凡退。
 南海ハーツが5-3でTEAMシゲルに勝利した。
 これでGリーグ5チームが無事に全日程終了。南海ハーツの最終成績は4勝4敗の3位。最終戦を、しかも最終回で逆転し、勝てたのは大きい。今シーズンは惜しい試合を落とすこともあり、この日まで優勝の可能性を残すことは叶わなかったが、5割ということは来シーズンはゼロからのスタートと捉えることもできる。チャレンジャーとして、4年ぶりの優勝を目指していこう。

【文責・背番号6】

2020.11.21

11月21日 ゴールデンアームボンバーズ戦 12-4

2020年11月21日(土)12:00~14:00
多摩川緑地野球場14号面(ビジター)
フリーマッチ
【ゴールデンアームボンバーズ vs 南海ハーツ】

G 001 21   4
H 342 21  12

投:高松〔勝〕-矢野-住吉
捕:筒井

本塁打:なし
三塁打:矢野
二塁打:宮本、青木

 1 (中)成岡【11】
 2 (右)宮本【19】
 3 (左)住吉【51】
 4 (三)横井【 6 】
 5 (投)高松【49】
 6 (捕)筒井【18】
 7 (指)太田【16】
 8 (遊)矢野【32】
 9 (一)青木※
10(二)村瀬※
※は助っ人

★ハーツ表彰★
殊勲賞=成岡(今季初参加でハッスルプレー! いきなりマルチ安打に2盗塁。攻守走に存在感)
敢闘賞=筒井(貫録の2安打、今日もフルマスク、チームの要)
技能賞=宮本(篠塚の流し打ちを彷彿させるレフト線の2点タイムリー二塁打)
技能賞=矢野(ライト線へ放った三塁打に、セットアッパーとしても活躍)
守備賞=成岡(センターでの好捕に、二塁牽制でも巧みな仕掛け)
山山賞=なし

動画はコチラ

 この日は、風・風・風……多摩川緑地はとにかく強風で、バッターボックスに立っても体が揺れてしまうほど。
 投手も追い風なら球速が増し、向かい風なら変化球が切れる。
 普段なかなか体感できない環境のなか、ゴールデンアームボンバーズ(GAB)戦はどんな展開が待っていたのか。

 1回表、ハーツの先発は高松〔左〕。先頭バッターこそ風の影響で出塁させるも、その後は奪三振〔右〕もあり、被安打ゼロのまま無失点スタート。風を味方につけ、さすがの安定感である。

 1回裏、トップバッターは今季初参加の成岡。右腕の怪我からの復帰戦だが、ガッツはいつものシーズンと変わらず、いきなり会心のレフト前ヒット〔左〕。その後、エラーと四球で無死満塁となり、4番横井は先制打をイメージし打席に入るも、初球で見事な押し出しデッドボール〔中〕。先制したハーツは5番高松が四球を選び、2点目。そして6番筒井はきれいなセンター前タイムリー〔右〕。打撃は完璧だったが、なんとここで風の影響か、ビデオのピントがずれてモザイク状態に。これは悪い予感か。7番太田の打球はピッチャー前に飛び、まさかの本塁ゲッツー。ハーツは3得点で初回を終える。

 高松は2回表に死球を2つ与えるが、この回もノーヒットで無失点。
 2回裏、打球はやはり風の影響を受け、あっという間に無死満塁。ここで2番宮本〔左〕がレフト線にお手本のような巧打で2者を迎え入れるツーベース。3番住吉のショートゴロで、俊足成岡が好走塁でホームイン〔中〕。高松の三塁への内野安打〔右〕でもう1点追加。ハーツは7-0とリードを広げる。

 3回表、一死三塁で2番打者が打席に入る。投手高松と背番号49対決だ〔左〕。放たれた打球は最初はセンターの少し右かと思われたが、ぐんぐん風に流され、右中間へ。あっという間に三塁打となり、内外野で風の影響が顕著に。しかし高松は落ち着いて後続を打ち取り、最少失点で3イニングを投げ切る。
 3回裏からGABは長身投手に交代。ハーツは先頭の8番青木選手〔中〕がセンターへの二塁打で出塁すると、一死後に成岡〔右〕が今度も芯で捉えたレフト前安打。この後、住吉が放ったライナーはレフトのエラーを誘い、2点を追加する。 

 4回から高松の後を継いだのは、投手として頭角を現してきた矢野〔左〕。先頭打者を投ゴロに仕留めるが6番打者には右中間に運ばれ、次打者も四球で一死一二塁。ここでセンターから成岡が忍び足で二塁ベースカバーへ。タイミングを見計らい矢野は牽制球を投げるが、ここは風も関係なく成岡のグラブのはるか上をボールが通過〔右〕。それを見た二塁ランナーが一気に生還。3度目の登板にして、これが矢野の初失点となる。しかし矢野は次打者を三振に。二死後、9番打者の打球はまたもセンターから右へ右へと流される。ヒットとなり、2点目を失うが、この回は不運も多かった。

 9-3で迎えた4回裏、ハーツは追加点をきっちり取っておきたい。サードゴロエラーで二塁に達した高松が盗塁で無死三塁。続く筒井のライナー〔左〕はサードのグラブを弾く。しかし三塁ランナーの高松が挟まれ、タッチアウト。この打席もなぜか筒井にはピントが合っていない。他の選手は合っているのに、なぜなのか。風のせいか、筒井の気迫にカメラがビビったのか、この試合で最も重労働だったのはビデオくんだったのかもしれない。
 二死三塁となり、打席には8番矢野。前の打席で完璧な右打ちが風に押し戻されファウルに。悔しい思いをしただけに、この場面では気合が入る。今度こその打球はむしろ先ほどより勢いはなかったが、それが功を奏し、いい具合にライト線を抜けていき、矢野の俊足なら軽々三塁打〔右〕。前々週に初ヒットを放ってから、早くも3本目に到達だ。そして初長打になる。あれ、この打席もピント合わず。筒井マジックでなかったことは判明したが、風の悪戯はこんなところにも。ハーツはこの回にも2点を追加し、11-3に。

 既にここまででかなりの時間を費やした試合。高松監督はクローザーとして5回に住吉〔左〕を投入。先頭をエラーで生かすも、次打者の投ゴロで判断よく三塁ランナーを挟殺する。一死三塁から2番打者の(通常なら)セカンドフライはまたも風に流され、一塁後方でフェアゾーンに。三塁ランナーが生還。そして一塁ランナーが走った時に、3番打者の打球はショートへ。ここで矢野が柔らかい身のこなしで、セカンドへトス〔中〕、村瀬二塁手も素早く一塁へ送球。ダブルプレー成立かと思われたが、惜しくも一塁の判定はセーフ。しかし非常にきれいな連係プレーだった。住吉は4番打者から三振を奪い、最少失点。
 5回裏、一死から住吉〔右〕がレフトへクリーンヒット(またもやピンボケですみません)。盗塁後に三進。横井のサードゴロエラーの間に住吉がホームイン。これでハーツは毎回得点を決める。5回を終えたところで時間切れ。
 南海ハーツが12-4でゴールデンアームボンバーズに勝利した。

 最初から最後まで風に翻弄される試合ではあったが、清々しい快晴のもと、気温も11月とは思えないほど暖かで、久しぶりに参加のメンバーも含め、楽しく野球ができた。
 フルマスクでこの試合も頑張ってくれた筒井捕手からは「今日は3投手ともボールが来ていた」。追い風で速球投手となった高松投手や、変化球を試した矢野投手、直球・スライダーともにキレが増した住吉投手。彼らのリズムの良い力投が、ハーツ打線のつながりにも好影響を及ぼしたようだ。

【文責・背番号6】

2020.11.14

11月14日 中野マシンガンズ戦 6-8

2020年11月14日(土)12:00~14:00
哲学堂公園野球場B面(ビジター)
Gリーグ第7戦
【中野マシンガンズ vs 南海ハーツ】(2回戦)

H 410 01|3x  6(9)
M 221 12|     8

投:住吉-今泉〔負〕-住吉
捕:筒井

本塁打:橋口(マ)
三塁打:筒井(ハ)
二塁打:横井(ハ)

 1 (遊)今泉【63】
 2 (中)綿貫【14】
 3 (一)高松【49】
 4 (捕)筒井【18】
 5 (右)小西【29】
 6 (投)住吉【51】
 7 (三)横井【 6 】
 8 (指)山口【31】
 9 (二)松本※
10(左)大島※
※は助っ人

☆Gリーグ表彰☆
最優秀=橋口選手(中野マシンガンズ)
 優秀=菊地選手(中野マシンガンズ)
 優秀=横井選手(南海ハーツ)

★ハーツ表彰★
殊勲賞=なし
敢闘賞=横井(久しぶりの猛打賞。3安打目で南海ハーツ通算200安打達成!)
技能賞=筒井(初回大量得点の原動力となるタイムリー三塁打)
技能賞=今泉(センスあふれる走塁で、5盗塁、3得点)
守備賞=住吉(俊足を活かし、登板後のセンターでも好守備)
守備賞=綿貫(ショートゴロで突き指を負いながらも、慌てない一塁送球で回を終わらせる)
山山賞=なし

動画はコチラ

 ハーツにとっては微かに可能性が残るGリーグ優勝に向けて、残り2試合、ひとつも負けられない状況で臨んだ中野マシンガンズ戦。一方のマシンガンズさんはこの試合に勝てば悲願の初優勝となる。

 1回表、先頭の今泉が死球で出塁し、2番綿貫は四球。ダブルスチールで無死二三塁とすると、3番高松のサードゴロで、今泉が相手の僅かな隙を突き、好走塁でホームイン〔左〕。1点を先制後、4番筒井〔中〕が勝負強くタイムリー三塁打。さらに二死二三塁から、7番横井〔右〕がセンターへの2点タイムリー二塁打を放ち、ハーツは幸先よく4点を先制。

 ハーツが優位に試合を進めるかと思われたが、この日のマシンガンズ打線は初回からハーツ先発の住吉〔左〕に食らいつく。1番橋口選手が左中間へのヒットで出ると、盗塁後、2番赤木選手も左中間安打ですぐに1点を返す。ランナーを三塁に置き、4番後藤選手は一塁線に強烈な打球。これをファーストの高松がよく止めて一塁ゴロとするが、その間にランナーが生還し、初回のマシンガンズは2点。
 2回表のハーツは二死から今泉が四球出塁すると、盗塁後に、ミスター右打ちの綿貫〔右〕が巧みなバット捌きでライト前タイムリー。実は哲学堂のB面は球場設置のバットしか使えず、なかなか経験できない試合。綿貫いわく「自分のバットでない時に、オレはめっぽう強い」。その言葉通りの見事な適時打だった。

 5-2とハーツのリードで迎えた2回裏、監督兼選手としてチーム運営の大部分を担うマシンガンズの6番下田選手がセンター前ヒット〔左〕。続く菊地選手が右中間タイムリーで、またもや反撃開始。橋口選手の強烈なライト前ヒットなどで一死満塁とすると、赤木選手のショートゴロの間にさらに1点。5-4となり、マシンガンズ打線の粘りにハーツは焦りを感じ始める。
 3回表、5番小西は最大の長所である長打力を封印し、まさかのセーフティーバント〔右〕。ハーツベンチも驚いたが、それはマシンガンズ守備陣も同じで、一塁はセーフ。小西の勝利に向けての執念を感じさせる一場面だ。しかし小西の猪突猛進ぶりは一塁ベースを駆け抜けるにとどまらず、牽制後の一塁手の偽投にはまってしまい、タッチアウト。追加点はならず。

 3回裏、先頭の後藤選手の当たりはまたもや強烈なゴロ。ここでも一塁手高松がよく止めるが、ベースカバー住吉へのトスがタイミング合わず、ランナーが残る。一死二三塁の場面で、菊地選手はピッチャーゴロ。飛び出した三塁ランナーに対し、ランダウンプレーとなるが、住吉からの送球を横井が捕ることができず〔左〕、生還させてしまう。マシンガンズ、ついに同点に追いつく。このプレーが終盤の点差に響いてくることに。
 4回表、先頭の横井はこの日2本目となるセンター前ヒット〔右〕で出塁。三塁まで進み、一死で打席には助っ人の松本選手。マシンガンズは勝負に出る前進守備。セカンドゴロとなるが、三塁ランナー横井は一瞬ためらい、本塁に突入できず。この判断ミスが痛かった。試合前から、高松監督より走塁への意識が徹底されていたなかで、勇気を持ったゴロゴーができなかったことは、勝ち越しのチャンスという試合展開から考えても、悔やんでも悔やみきれない。このあたりから、流れはハーツからマシンガンズに。

 ハーツは4回裏から今泉〔左〕が登板。対するは、この日絶好調の元気印・橋口選手。思い切りよく振り抜いた打球〔右〕は、長身のライト小西のグラブの先を抜け、右中間を転々…。俊足のハッシーは走る、走る。あっという間に本塁も駆け抜け、値千金のランニングホームラン。マシンガンズがついに6-5と勝ち越す。

 なんとしても追いつきたいハーツは、5回表に今泉と高松がともに死球で一死二三塁。筒井の三塁ゴロで、今泉が初回に続き、炎の走塁を見せる。気迫のヘッドスライディング〔左〕で、同点のホームイン。これこそが優勝を諦めない選手の姿だ。なおも二死三塁で小西が放った打球は右中間への強い当たり〔右〕。しかしライトが好捕し、勝ち越しならず。

 一進一退の攻防が続くこの試合。5回裏、マシンガンズは一死三塁から、8番嶋田選手〔左〕がファウルで粘り、右中間へフライを放つ。センター住吉、ライト小西ともに懸命に追うが、打球はそのちょうど間に落ちる。マシンガンズはこの回まで毎回得点となるタイムリーで7-6と再び勝ち越し。ここで高松監督は住吉の再登板を選択し〔右〕、執念の采配を見せる。マシンガンズはその後も1点を追加し、5回終了時点でマシンガンズが8-6とハーツをリード。

 試合も終盤、ここからは時間との戦いも始まる。6回表、ハーツは四球出塁の住吉が連続盗塁で無死三塁。ここで横井〔左〕がライトへタイムリー。この日猛打賞となった一打は、ハーツ通算200安打のメモリアルヒットに。これで1点差。そして一死三塁から松本選手の放ったゴロがショートのエラーを誘い、ハーツは同点。助っ人の大島選手もエラーで生き、一死一三塁。ここで、最後のバッターの宣告をされた今泉の打球はライトへ〔右〕。惜しくもライトが捕球できず、三塁ランナーが生還。この瞬間にハーツは9-8と勝ち越すが、リーグの規定でカウントされるのは5回裏までのスコア。

 手に汗握るシーソーゲームは、8-6で中野マシンガンズが南海ハーツに勝利。
 そしてマシンガンズはリーグ終盤驚異の追い上げで、逆転初優勝を決めた。

 中野マシンガンズさん、おめでとうございます。一時はあしたばさんが独走かと思われた2020年度のGリーグ。その名の通り、連打のマシンガンズ打線が力を発揮し、優勝を手にしました。南海ハーツが対戦したGリーグ2試合を振り返ると、1回戦は特に若き左打者のフルスイングが印象的で、得点力の高さを感じました。守っていても怖かったです。そしてこの日の2回戦。先制したハーツは有利なはずなのに、じわりじわりと追い上げられ、ついには勝ち越されてしまう。数人の優れた打者ではなく、チーム全体で打線につながりがあったからこその得点だったと思います。

 南海ハーツが6連覇を達成したあと、優勝はTEAMシゲルさん、あしたばさん、中野マシンガンズさんと毎年変わり、5チームに力の差がないことが、Gリーグの面白さ、楽しさにつながっています。
 高松監督の優勝に向けた熱い想いを共有したハーツの各選手も全力プレーで各チームに挑みましたが、今年は力及ばずでした。現在の南海ハーツは、健在のベテラン選手に交じり、入団から数年の若手選手も力をつけてきて、チームとしての戦力バランスは整ってきているように感じます。来シーズンこそは優勝トロフィーを再び手にできるよう、チーム一丸で頑張ります!

【文責・背番号6】

2020.11.07

11月07日 東京ジャンクス戦 7-8

2020年11月7日(土)13:00~16:00
篠崎公園B地区鹿骨野球場1面(ホーム)
フリーマッチ
【南海ハーツ vs 東京ジャンクス】

H 411 000 100    7
J  003 000 023x  8

投:今泉-久原-矢野-高松-住吉〔負〕
捕:筒井

本塁打:なし
三塁打:なし
二塁打:なし

 1 (中)久原【24】
 2 (二)矢野【32】
 3 (投)今泉【63】
 4 (三)横井【 6 】
 5 (遊)住吉【51】
 6 (捕)筒井【18】
 7 (左)古川
 8 (右)山崎※
 9 (指)太田【16】
10(一)高松【49】
※は助っ人

★ハーツ表彰★
殊勲賞=なし
敢闘賞=矢野(待望のハーツ入団初ヒット! おまけに初タイムリー、マルチ安打。投球も圧巻)
技能賞=筒井(声良し、9イニングスの鉄人フルマスク。適時打に、気迫の捕邪飛キャッチ)
技能賞=太田(横井、矢野、古川を従え、ハーツ最大派閥の長に。太田幹事長誕生か)
守備賞=住吉(ピッチャー、ショートだけじゃない。センター、サードでも発揮する守備力)
守備賞=古川(レフトへの大飛球を背走キャッチ。ハーツの歴代左翼手に並ぶ実力)
山山賞=なし

動画(前半)はコチラ
動画(後半)はコチラ

 3時間枠、9イニングス制で行われた東京ジャンクス戦。さまざまなトピックスがありましたが、この試合は矢野選手でしょう!

 1回表、先頭の久原が四球を選び出塁すると、打席に入るのは矢野。高松監督が期待を込め、2番に抜擢した。二十代コンビの1、2番誕生だ。
 今年の6月、南海ハーツに正式入団した矢野は、安定したセカンド守備で内野を引き締め、既にチームに貢献しているが、打撃に関しては何とここまでノーヒット。毎試合、各選手からは「早く1本を」と声をかけられていた。もちろん、一番その気持ちが強かったのは本人に他ならない。
 この打席の矢野は、ひと味違った。久原の二盗、三盗をサポートしながら投球をしっかり目に焼きつけると、スリーツーからバット一閃! きれいなライナーはセンターの左で跳ね、待望のハーツ入団初ヒット〔中〕を記録。しかも初タイムリーのおまけ付き。同年代の久原が手を叩いてホームインする。当然、ベンチも盛り上がる。ハーツにとっては最高のスタートだ。

 気分を良くした矢野は二盗を決め、バッテリーエラーの間に三進。3番今泉は死球後に盗塁。4番横井の打球は力のないキャッチャー前への小フライになったが、ワンバンでキャッチした捕手の送球が一塁に間に合わず、その間に矢野がホームイン。続いて一塁への牽制エラーもあり、今泉も生還。そして5番住吉〔左〕は強烈なライナーをサードへ。強襲ヒットとなり、4点目。住吉も二盗、三盗を決め、6番筒井も四球で出塁。
 ここで打席に入るのは、3年ぶりにハーツ野球に参加となる古川選手。太田、横井、矢野が所属する校正会社のメンバーで、もしこれが政治の世界なら、この試合には太田派が勢ぞろいだ。高校野球経験があり、体格もいい右投げ左打ち。長打力が魅力の選手だ。この打席でもいきなりライトへ特大ファウル〔右〕。潜在能力の高さを感じさせた。

 ハーツの先発は今泉〔左〕。先頭打者から三振を奪うと、ファーストフライ2つで三者凡退。このまま2回までパーフェクトピッチング。上々のスタートを切る。
 2回のハーツは高松
〔中〕の四球を起点に、内野ゴロで1点追加。3回には筒井〔右〕のセンターへのヒットでさらに1点。6-0と順調にリードを広げた。
 ジャンクスもこのまま押され続けるわけにはいかない。3回裏に打線が奮起し、2本の二塁打などで3点を奪い、盛り返す。

 3点差となり力を得たジャンクスの先発投手〔左〕は、制球が定まり始め、直球に力もあり、4回からは完全に立ち直る。このイニングを無失点に抑え、流れがジャンクスに傾きかける。高松監督はここで思い切った継投に出る。前週で投手デビューを飾った久原、矢野に中盤を託したのだ。
 4回に登板した久原〔中〕はストライクを取るコントロールがある一方、粗削りな分、荒れ球もあり、これが打者から見ると的を絞ることができず、なかなか対応しづらい。ヒットと四死球で二死満塁のピンチを招くが、最後はセカンドフライで点を与えない。ランナーを背負っても慌てない強心臓ぶりはピッチャー向きで、何よりデビュー試合から連続無失点は十分に褒めてよい。
 5回からマウンドに登った矢野〔右〕は、やはり球速が魅力だ。この回は久原がセンターの守備で矢野を助け、2つのフライを確実にキャッチするとともに、飛び出した二塁ランナーを刺してダブルプレーを完成させる。1、2番でコンビを組んだ感触が良かったのか、ディフェンスでも連係を深めた格好だ。矢野は未知なる領域へ。前週は久原とともに1イニングずつの登板だったが、矢野は2イニング目も任された。ここでいきなり無死二三塁のピンチを背負うも、サードゴロ2つに三振と、落ち着きはらったマウンド捌き。5回、6回をこちらも無失点で抑え、2人で見事なセットアッパーとなった。

 追加点が欲しいハーツだったが、5回は横井〔左〕のレフトへの安打のみで無得点。6回にはラストイニングとなった背番号0の先発投手がエンジン全開で2奪三振を含む三者凡退のピッチング。7回表、2番手投手から、矢野がしぶとく一二塁間を抜き出塁〔右〕。5カ月間苦労してきたのがウソのように、マルチヒット達成だ。やはり、この日は持っている。盗塁、三進後、ワイルドピッチでホームイン。貴重な追加点を1人で生み出した。

 7回裏は高松〔左〕が登板。簡単に二死を取ると、その後は2つの四球を与えるが、9番打者の大きなレフトフライを古川選手がバックしてナイスキャッチ〔右〕。守備賞にも選ばれる好守でチームに貢献。

 久原、矢野、高松が無失点リレーでつなぎ、8回からはクローザーの住吉〔左〕がマウンドへ。5投手の豪華リレーはなかなか見ることができないが、9イニングス制ならではと言えるだろう。ハーツとしては最も投手実績のある住吉に託したことで盤石の態勢に。
 しかしここからジャンクスが驚異の粘りを見せる。この回先頭の10番打者がきれいにセンター前へ弾き返すと、次の打者は死球。無死一二塁から、12番が放った打球はサード前への緩いゴロ。横井は間に合うと思い一塁送球するが、若干左に逸れてしまい、ファーストが一塁を踏めずセーフに。無死満塁とピンチを広げてしまう。ここで住吉は渾身のストレートを投げ、この試合フルマスクの捕手・筒井〔右〕がキャッチャーファウルフライを好捕。立ち直ったかに見えた住吉だったが、2番には惜しくも押し出し四球。3番は投ゴロで本封し、1失点で凌ぐかと思われたが、4番はまさかの打撃妨害。もう1点を失うことになり、7-5と2点差に。最終回を前にどちらが勝ってもおかしくない接戦となった。

 ジャンクスのリリーフ投手の前に7回の1点しか奪えなかったハーツは苦しい展開。
 そして9回裏にはあっけない幕切れが待っていた。2連続四球とワイルドピッチ、振り逃げで無死満塁となり、迎えるのは背番号6の9番打者。7回に特大飛球を放った、長打力のある選手だ。ここで彼の思い切りの良さが素晴らしかった。初球をフルスイング〔左〕した打球はライナーでセンターの右を襲う。ボールはフェンスまで転々…。塁上の走者は全員が全力疾走。あっという間に走者一掃〔右〕のサヨナラ二塁打となった。

 ハーツサイドからは常に優位に試合を進めているように見えた。しかし、ジャンクスの戦いぶりは見事としか言いようがない。先発投手は序盤こそ制球の乱れもあったが、中盤以降は球威も増し、投球が安定して6回を5奪三振で追加点を与えない。リリーバーも3回を3奪三振で最少失点。打線は数少ないチャンスで確実に得点し、終盤の集中力は特筆される。4点差を逆転する力強い攻撃で、東京ジャンクスが南海ハーツを8-7で下した。

 敗れたハーツだったが、内容的には収穫の多い試合である。矢野の初ヒット、5人の投手リレー、筒井、住吉の勝負強い打撃、古川選手の久しぶりの野球復帰などなど、今後の試合には大きな期待を持てる。何より、若手投手の台頭で、住吉投手のハートに火がついたのも大きいのではないだろうか。野球に悔しさは付きものだ。だが、この悔しさが選手を成長させてくれる。気持ちを切り替え、次の試合にまた万全の準備をして臨む。これができれば、チーム全体がもうひとつ上の階段をのぼっていけるだろう。
 次週のGリーグ第7戦は、独走態勢に入っていたあしたばを勝率では上回った中野マシンガンズ戦。そこに挑むかたちで、まだ優勝の可能性が消えていない南海ハーツは全力で向かっていく。優勝への細く強い糸を、第8戦まで保ち続けていこう。

【文責・背番号6】

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