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週刊ハーツ

2021.10.09

10月09日 YBC-67戦 7-9

2021年10月9日(土)13:00~15:00
東台B面(ホーム)
フリーマッチ
【南海ハーツ vs YBC-67】

H 111 40  7 
Y 023 4x  9

投:住吉〔負〕
捕:筒井

本塁打:なし
三塁打:背番号10(Y)
二塁打:背番号8(Y)

 1 (中)土屋【13】
 2 (指)綿貫【14】
 3 (遊)小西【29】
 4 (捕)筒井【18】
 5 (一)高松【49】
 6 (投)住吉【51】
 7 (左) 森  【 0 】
 8 (三)横井【 6 】
 9 (右)山口【31】
10(二)藤本【 5 】

★ハーツ表彰★
殊勲賞=なし
敢闘賞=横井(4回表の同点タイムリー中前打含む3打点)
技能賞=住吉(レフト前と好走塁に、投げては完投)
技能賞=筒井(初回、ライト線に技ありの先制タイムリー)
守備賞=なし
山山賞=山口(二塁走者時、バントで三塁に進めずも、名言披露)

試合動画

 昨年と今年で連敗を喫しているYBC-67戦。相手はシニアリーグで全勝街道驀進中。攻守にまとまったチームに、南海ハーツがどこまで対抗できるか。
 YBCの先発は松本投手〔左〕。細身のピッチャー体形から美しいフォームで球筋のきれいなボールを投げ込む。ハーツは1回表、二死二塁で、4番のガッツ筒井〔中〕がライト線にしぶとく落とす先制タイムリー。初回から泥臭く1点を奪う。
 ハーツの先発は住吉〔右〕。前週は好リリーフで勝ち投手。この日も好投が期待される。立ち上がりは2三振を奪い、無失点。

 2回表、ハーツは先頭の6番・住吉〔左〕が巧みに三遊間を抜くレフト前ヒット。盗塁と暴投で三進すると、一死から8番・横井〔中〕の打球は前進守備のショートを強襲。一瞬の隙を突き、俊足の住吉が好判断でホームイン〔右〕。2-0とリードを広げる。

 反撃したいYBCは2回裏、先頭の5番・小美濃選手の緩いゴロに対し、三塁手の横井が懸命に前進し一塁送球するが、セーフに。その後、無死満塁とし、三塁牽制が悪送球となる間にまず1点。なおも一死二三塁で、長距離砲の9番・ヒロシ選手〔左〕がきっちりレフトへ犠牲フライ〔右〕。あっという間に2-2の同点とし、効果的な攻撃を見せる。

 それでもこの日のハーツには集中力があった。3回表、目下売り出し中の俊足つっちー(土屋)が、四球後、二盗、三盗〔左〕を決めて、大学時代の頼れる先輩、3番・小西に託す。ここで小西〔右〕は豪快な柵越え…とはならなかったが、詰まった当たりが幸いしたサード内野安打で、土屋を迎え入れる。野球は点を取るスポーツなのだから、これでいいのだ。

 3-2で迎えた3回裏、このイニングはハーツの守備に乱れが出てしまった。二死二塁の場面で4番打者の放ったレフトへの当たりは高く舞い上がったものの打球に勢いはない。3アウトチェンジと思われたが、予想以上にボールが風に押し戻され、レフトとショートの間にぽとりと落ちてしまう〔左〕。これで同点。なおも二死二三塁で、今度は6番・大島選手〔右〕が二塁手の右後方へ打ち上げる。難しい角度ではあったが、セカンドがグラブに当てながらも弾いてしまい、この間に二者が生還。ハーツは守りの綻びで3-5とYBCに逆転を許す。

 しかし今日のハーツは決して諦めない。4回表、先頭の5番・高松〔左〕がきれいにミートし、ライトへヒット。住吉が四球、ダブルスチール後に7番・森〔中〕のショートへの当たりは前進守備が災いして、ファーストベースカバーが遅れ内野安打に。無死満塁で、横井は気合が入っていた。投手の右足元へ打ち返した打球〔右〕はセンターへ抜けていき、二者を返す同点タイムリー。

 このあと横井の二盗時に、捕手は三塁ランナーを牽制するためサードに送球するが、ワンバウンドで外野まで抜けてしまい、森が生還〔左〕。ハーツは再逆転。9番・山口〔中〕の遊ゴロでは、横井が突っ込み、ショートは本塁補殺を狙うがフィルダースチョイスに。2点を追加したハーツは7-5と流れを呼び戻す。
 4回の攻撃はなおも続く。一死二塁から、1番・土屋は自らの意思で送りバントを選択〔右〕。さらなる追加点のためチームプレーに徹し、技能賞もののナイスバントだったのだが、投手が一塁に送球したとき、なぜか二塁ランナーの山口はそのままの位置に仁王立ち。これまでハーツの球史で数々の名言を残してきた山口だが、この瞬間は「バントは想像(イマジン)できなかった」。本来ならベンチからブーイングが起こりそうなものだが、山口の言葉を耳にすると、みんな笑顔になってしまう。土屋の技能賞は、山口の山山賞へと姿を変えた。

 さあ、ここで抑えれば勝ちに近づく。投げ切ることを目指す住吉だったが、4回裏の先頭打者にエラー出塁されると、2連続四球で満塁。二死後、3番バッターはタイミングがまったく合っていなかったが、この一打だけジャストミート〔左〕。右中間を深々と破る走者一掃の見事なタイムリー三塁打で、なんと土壇場で8-7と大逆転。このあと4番にもセンターへの強烈な当たりが出て〔右〕、もう1点追加で9-7。YBCの凄まじい執念がハーツに襲いかかる。

 時間的に最終回となった5回表、YBCは二枚看板のもう一人、マサカリ投法の菅野投手〔左〕をマウンドに送る。ここで燃える漢・小西がバッターズボックスに入る。この日は彼特有の長打がまだ出ていない。心はひとつ。マン振りしかない。小西はバット一閃〔右〕。打球は恐るべき勢いでレフトのネットへとぐんぐん伸びる。どこまで飛ぶのかと思ったら、なんと高いネットの上から半分の位置にダイレクトで当たる。三塁打以上は間違いなし!と思われたが、残念ながらレフトポールより3メートル左。小西はベンチからの「ファール」の声も聞こえず、二塁を回るまで全力疾走。まさにこれが小西ワールドだが、天国から地獄とはこのこと。老練な菅野投手は次の球でタイミングを外すことだけを考えていた。小西もそれはわかっている。でもバットは止まらない。カーブにくるりと一回転し、空振り三振。いいのだ、結果はどうあれ、常にフルスイング。わんぱくでもいい、たくましく育っておくれ。菅野投手はクローザーとして、この試合、初めてハーツのスコアボードに0を刻み、YBC-67がシーソーゲームの末に逆転勝利。

 2時間では語り尽くせないほど、いろいろな内容が詰まった試合だった。この日のハーツは打線がひとつの輪となり毎回のように得点を挙げ、住吉も終わってみれば完投。普通なら勝ちが転がり込むであろう試合だ。でも勝てなかった。そこには勝利に向けてチーム一丸のYBC-67という高い壁があった。南海ハーツもよく声が出ていたが、YBCの声はそれ以上。そして守備に関して言えば、ハーツはほぼ全員が何かしらのミスをしてしまった。決して集中力がなかったわけではない。でも歯車が噛み合わないときもある。これをたまたまと見るか、何か要因があると見るか……敗因を的確に振り返ることが、次の勝ちへとつながっていくだろう。
 10月9日の練馬・東台には、野球がとことん好きな2つのチームがあった。泥だらけになりながら、白球を追う。年齢が高い者もいれば、羨ましいくらいに体の動く若手もいる。この2チームの共通点は、試合とお酒がワンセットであること。このご時世、飲みの場は常に気をつけなければならないが、昭和・平成・令和と草野球の文化は脈々と受け継がれている。健康でプレーできることに感謝しながら、経糸と緯糸が交差する接点をさらに増やしつつ、多くのチームと交流を重ねていきたい。

【文責・背番号6】

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