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週刊ハーツ

2024.03.23

03月23日 永福コルセッツ戦 11-2

2024年3月23日(土)13:00~15:00
世田谷区総合運動場(ホーム)
第5戦《Gリーグ第1戦》
【南海ハーツ vs 永福コルセッツ】(1回戦)

C 000 100 1   2
H 111 440 x  11

投:小林〔勝〕

 1 (中)土屋【13】
 2 (捕)菊池【 8 】
 3 (遊)矢野【32】
 4 (三)小西【29】
 5 (投)小林【61】
 6 (右)横井【 6 】
 7 (一)筒井【18】
 8 (二)兵藤【23】
 9 (左)丸山【39】
10(指)角田【 3 】

☆Gリーグ表彰☆
最優秀=小林選手(南海ハーツ)
 優秀=土屋選手(南海ハーツ)
 優秀=萬代選手(永福コルセッツ)

★ハーツ表彰★
殊勲賞=小林(6奪三振、2失点で、堂々の7回完投勝利!)
敢闘賞=兵藤(レフト線に目の覚めるようなライナーヒット)
敢闘賞=筒井(フルスイングでレフト前タイムリー)
技能賞=矢野(ライトへの先制打に、センターに抜けるゴロでも打点)
技能賞=丸山(満塁でしぶとくタイムリー内野安打)
守備賞=小西(再三のサードゴロを完璧な送球でアウトに)
守備賞=兵藤(堅実なバックアップで貴重なアウトをゲット)
辻本賞=土屋(2度の押し出し四球で2打点。外野の要としても貢献)
辻本賞=菊池(2度の押し出し死球で2打点。フルマスクで好リード)

試合動画

 2024年度のGリーグ開幕戦。永福コルセッツさんを世田谷区総合運動場に招いての南海ハーツホームの1回戦は、まず雨予報との戦いから始まった。何とか天気が2時間保ち続けてくれることを願いつつプレーボール。

 栄えある開幕投手を任されたのは2年目の小林〔中〕。昨年はまずスイッチヒッターの打撃で頭角を現し、全ポジションを守れるハーツ最年少のユーティリティプレーヤー。本職ではなかった投手に挑戦すると、速球に加え、抜群のコントロールで一気にエース候補へと浮上した。チーム全体からの期待の中、小林は3回二死までパーフェクトピッチング。上々の滑り出しだ。

 先制点を挙げたいハーツは初回、四球出塁の1番土屋(Tsucchy)を三塁に置き、昨季のチームMVP・3番矢野〔左〕がライト前へしぶとく落とし、幸先良く1点。2回には無死満塁のチャンスで丸山〔右〕が一塁内野安打で追加点。3回裏もエラーの間に1点を挙げ、ハーツは小刻みな得点で3-0とリードする。

 この試合で小林と初バッテリーを組んだのは菊池〔左〕。配球についても各回ごとに相談し、二人三脚で試合を作っていく。歴史の長い南海ハーツの中で、こうした若手バッテリーの実現は今後にとって頼もしいし、大いなる可能性と夢がある。そして小林の好投を引き立てたのは内野陣の堅い守り。サードの小西〔中〕は前後左右に軽快なフットワークと持ち前の強肩で、何度もゴロを捌き、会社の後輩・小林をアシスト。ショートの矢野〔右〕はやわらかなグラブ捌きとしなやかな身のこなし、的確な状況判断でコルセッツ打線の芽を摘んでいく。守備では若手が目立ったが、その中でセカンド兵藤が一塁強襲の打球に素早く反応(バックアップ)し、きっちりベースカバーに走った小林へのストライク送球でアウトにしたプレーは、私もライトから見ていて感動を覚えるほど。外野の要として、センターで堅実な守備を見せた土屋の存在も大きかった。

 3-1で迎えた4回裏、ハーツは四球の筒井を一塁に置き、兵藤〔左〕がレフト線へ強烈なライナーヒットを放つ。兵藤の素晴らしさは還暦を越えてなお、打撃も守備も毎年向上している点。つまり兵藤は常に“現在がピーク(頂上)”であり、その高さを更新し続けている。こんな草野球選手はなかなかいない。そしてもう一つ嬉しいのは、試合後飲みへの参加率が今年は大幅に増していること。兵藤は物静かで優しい顔をしながら、時に放つ鋭い言葉(あえて毒舌とは言わない)に、一同ハッとさせられる場面がある。その人間的魅力(ギャップ)は奥が深い。日常は仕事で忙しい中、野球に関してはちゃんと時間を作り、チーム運営面での貢献度も高い。見習うべき草野球プレーヤーと言えるだろう。
 そしてもう一人、こちらは毎週の試合後飲みでも圧倒的な存在感を放ち続ける筒井〔右〕である。フルスイングが真骨頂だが、5回裏に“突つい”(←お気に入りのペンネーム)のバットが炸裂する。火を噴くようなレフト前へのタイムリーヒット。勝ちを手繰り寄せる価値ある一打だ。
 実は前週の新宿ブンブン戦(フリーマッチ)は、今年から高松シニア監督が立ち上げた「シニア強化試合」。日曜のシニアリーグに向けて、ベテランメンバーの活躍の場を広げる試みだ。その成果がいきなり出たと言ってもいいだろう。 

 ハーツはこの4回、5回に4点ずつを挙げ、有利な展開で終盤を迎えることができた。ちなみにこの2イニングには珍しい記録も。ともに満塁から、1番土屋は2度の押し出し四球、2番菊池は2度の押し出し死球で、全く同じ展開で2打点ずつ。この得点も非常に大きかった。
 そして4回裏はもう一つ珍しいプレーが。一死満塁から矢野の放った打球はセンター前へゴロで抜ける。当然タイムリーヒットと思われたが、コルセッツセンターの松田選手が猛然と前へダッシュ、捕球後そのまま二塁ベースを踏み〔中〕、間一髪でセカンドフォースアウト。矢野はセンター前ヒットを1本損してしまうが、この間に三塁ランナー(1打点)に続き、二塁ランナーの土屋が判断良くホームイン。両チームともに最善のプレーを見せ、一つの山場となった。

 5回を終えた時点で、ハーツが11-1とリード。理想的な展開になるが、あと2回、コルセッツ打線を抑えるのは簡単なことではない。先発の小林は期待に応え、見事なピッチングを見せていたが、Gリーグの開幕戦、相当なプレッシャーもあったはずだ。さまざまな試合展開が想定されたため、事前に小西・矢野の若手両輪にはリリーフ準備もお願いしていた。小西が試合終盤に自主的にピッチング練習を始め、万全の態勢を整えてくれている。小西へのスイッチも考えたが、野球は“試合の流れ”が大切。この日の小林は申し分のないピッチングを続けていたし、何より、小西、矢野、兵藤、筒井の鉄壁な内野陣が投手をしっかり守り立てている。この良い流れを崩したくなかった。菊池捕手から小林の調子の良さを伝え聞いていたこともあり、監督として、小林に完投を期待し、動かないことに決めた。

 結果として、小林は最後まで危なげなく、6奪三振、2失点で、堂々の7回完投勝利。
 南海ハーツは11-2で永福コルセッツを下し、開幕戦をこれ以上ないかたちで勝つことができた。
 しかし週に1回の登板とはいえ、完投は投手の肩に負担をかける。23歳の若さで体力的には全く心配のない小林であっても、酷使は避けたいところ。幸い、ハーツには、強心臓と制球力の高松、熱投派の若大将・小西、無口でクールな若侍・矢野とバラエティー豊かな好投手が多数存在する。シニアリーグに向けて実戦経験を積んでいる兵藤もいる。また、自ら投手もやりたいと名乗りを上げている菊池もいる。一人ひとりが己のレベルをさらに上げ続けてくれれば、投手王国も夢ではない。

 次週はTEAMシゲルさんとのGリーグ第2戦(ハーツはビジター)。投手リレーで勝利を掴み取れたら、バリエーションも広がる。先発向き、リリーフ向きなど、各投手の適性を見極めながら、投手起用を考えていきたい。

 最後に、前週のエピソードを一つ。私が右手人差し指に打球を当て、「骨折かもしれない」と弱気になっていた試合後(大袈裟に捉えてしまい、申し訳ございません)。病院で骨折なしと診断され、ホッとした気持ちで、行きつけの中華屋で待ってくれていた(普通に楽しく飲んでいた?)ナインのもとへ合流すると、チーム一お酒好きな角田選手が一滴もアルコールを飲んでいないという。私のことが心配で、断酒してくれていたのかも(←もちろん冗談)と、あとから理由を聞いてみると、「打てなかったことが悔しくて、そのあと2時間素振りをしていた」と。
 何だか、自分が野球が下手だった頃のことを思い出しました。私も草野球を始めた当時(南海ハーツ入団前)は全く打てず、守れずで、チームに対する申し訳ない思い、少しでも上達したいという願いで、心は目一杯状態。そんな時、継続したのは、ただひたすらにバットを振ること。急に上手くなるなんてことはありませんでしたが、亀の歩みで徐々に徐々に打てるようになり、守備もようやく普通レベルならこなせるようになっていきました。
 角田さんがこの先、この努力を“継続”できたなら、きっと周りも自分も納得できる打球を飛ばせるようになるでしょう。そして一番難しいのが“続ける”ことです。人間は弱いもの。何事も、3日続けるのですら大変。それを地道に1週間、1カ月と延ばしていくことが大切で(野球だけでなく、仕事や私生活も)、もし1年継続できたなら、自分の想定していた目標ラインの遥か上に達していることも。まさにそれは自分次第。
 そういえば、筒井さんは草野球生活の中で、走ることや素振りや筋トレを、仮に短い時間でも毎日続けているそうです。あの頑丈な体、そして常に前向きな気持ちは、そういうところから形作られているのかもしれません。連続試合出場記録では、ハーツの鉄人になれる可能性を秘めている角田さん、体力面でも鉄人・筒井さんを目標に、一歩ずつ階段を上がってください。

文責【6】

【今週のベストショット by Tsucchy

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