since 1997

週刊ハーツ

2019.08.10

08月10日 あしたば戦 1-22

2019年8月10日 13:00~15:00
二子玉川緑地運動場B面(ビジター)
Gリーグ 第7戦
【あしたば vs 南海ハーツ】(2試合目)

H 100 0  0    1
A 020 6 14  22

投:岩本〔負〕-高松-小西-柴川
捕:横井

本塁打:なし
三塁打:なし
二塁打:筒井(ハ)、五十嵐(あ)

 1 (捕)横井【 6 】
 2 (中)久原【24】
 3 (三)高松【49】
 4 (一)筒井【18】
 5 (投)岩本【 1 】
 6 (左)福田【 9 】
 7 (右)小西【29】
 8 (二)兵藤【23】
 9 (指)永山【36】
10(遊)柴川【 4 】

☆Gリーグ表彰☆
最優秀=尾崎選手(あしたば)
 優秀=安藤選手(あしたば)
 優秀=筒井選手(南海ハーツ)

★ハーツ表彰★
殊勲賞=なし
敢闘賞=岩本(先制タイムリー&唯一の打点)
技能賞=筒井(見事なレフトオーバー)
技能賞=横井(猛暑の中でのフルマスク)
守備賞=なし
山山賞=なし

動画はコチラ

 3勝3敗で迎えたGリーグ第7戦。対するあしたばは、ここまで4勝1敗1分の好成績。優勝に一番近いチームだ。
 開幕3連勝と、これ以上ないスタートを切った南海ハーツだが、そこからまさかの大失速。各チームといい試合はするものの、終盤に決勝点を奪われたり、突き放されたりする展開で、3連敗。優勝争いどころか、勝率5割にまで落ち込んでしまった。ここ最近はGリーグチームとのフリーマッチでもなかなか勝つことができず、苦手意識も出てきてしまっている。
 何とかこの試合に勝って4勝3敗とし、わずかな望みでも優勝の2文字に触れておきたいところだ。

 1回表の南海ハーツは、四球で出た久原を三塁に置き、5番岩本が見事なバットコントロールでセンター前へ〔左〕。久原がホームインし〔右〕、幸先よく1点を先制。しかし終わってみれば、ハーツがこの日に挙げたのはこの1点のみだった。

 ハーツ先発の岩本〔中〕は好調な滑り出し。先頭の福本選手、4番の安藤選手から三振を奪うなど、試合への意気込みが伝わる投球で初回を無失点に抑えた。

 2回表、ハーツは先頭バッターの大型新人・小西が恵まれた体格を生かしたパワー漲るフォームで、速い打球のセンター前ヒット〔左〕。続く8番兵藤もきっちり四球を選び〔中〕、無死一二塁。これを起点に畳みかけたかったが、あしたばの先発安藤投手〔右〕は落ち着いた投球で踏ん張り、追加点を許さない。この粘りが、裏の攻撃につながっていく。

 2回裏のあしたばは、一死から6番恵美選手が俊足を生かし、ショートへの内野安打〔左1〕。その後、一死満塁とし、9番五十嵐選手〔右1〕のショートゴロで三塁ランナーが生還、1-1の同点とする。次打者の2球目、投球がホームベースの前でバウンドし、この間に加島選手がホームイン〔左2〕。あしたばが2-1と勝ち越しに成功する。ここで、肩の痛みを抱えながらも先発投手として奮闘した岩本が自ら申し出て降板。高松監督自らがマウンドに上がる〔右2〕。高松は後続を断ち、ハーツの次の回の攻撃に望みを託す。


 3回表二死から、ハーツは4番筒井が豪快な一打をレフトへ放つ〔左〕。ここ、二子玉川緑地運動場は、外野の垣根を越えたらホームラン。審判のジャッジでエンタイトルツーベースになったが、植え込みの根のあたりにボールはダイレクトで到達していた。本塁打と紙一重の二塁打であり、追い上げムードとしては最高の当たりだった。そして久しぶりに参加の6番福田〔右〕が放った打球はまたもレフトへ。しかしハーツベンチの願いを乗せたボールはグラブの上を抜けることはなく、得点ならず。

 今シーズンも安定したコントロールでチームを救ってきた高松投手は、3回も奮闘。初回の岩本と同じく、1、4番から三振を奪う。タイミングを外し、的を絞らせない投球術で無失点。接戦に持ち込み逆転を狙う態勢が整ったが、ロングリリーフの4回、ついにつかまる。あしたば打線は四死球やエラーで溜めたランナーを、11番尾崎選手〔左〕、1番福本選手〔右〕のヒットなどで効率よく返し、一挙6得点。リードを大きく広げ、勝利に近づいていく。

 少しでも追い上げたいハーツは、5回表一死から1番横井が初球を会心の当たりでセンター前ヒット〔中〕。この日の暑さを物語るのか、この一瞬にビデオカメラのピントがぼやけ、キャプチャー画像もこの通り…。2番久原も四球で続き、一死一二塁。そして3番高松の打席時、ワイルドピッチで普通ならランナー二三塁となるところが、二塁ランナー横井はスタートを切ったものの長堂捕手の強肩を恐れてか戻ってしまう。この判断ミスが痛かった。高松の放ったセンターフライ、横井が三塁まで進んでいれば犠牲フライとして十分だった。結果として、ちぐはぐな攻撃となり、無得点。この流れはその裏の守備へと続いてしまう。

 5回裏、マウンドに登ったのは新人・小西〔左〕。チーム一の快速球の持ち主だが、この日は制球が定まらず3連続四球。残念ながらここで降板となった。無死満塁でバトンを受けた柴川〔右〕にとっては、厳しい条件。最近、磨きがかかってきたスライダーで抑えたいところだが、次打者、その次の打者も四球で連続押し出し。ここからは、あしたばに一気に流れが傾いていった。この回だけで計10四球、ランナーが溜まると効果的なタイムリーが出る。そして柴川が打ち取ったいくつかのフライも、風の影響なのか、外野手は追いつくのだが、グラブに当てるも捕球できず。あらゆるリズムが崩れ、大量14失点。柴川にとっては酷なイニングになってしまった。捕手の横井も炎天下で30分続いたあしたばの攻撃で、しだいに体力が消耗し、最後は投球を受け続けるだけで精一杯。しかし柴川はかなりの球数を投じながらも何とか最後まで投げ切り、ようやく5回が終了。このタイミングが試合終了時間となった。

 22-1で、あしたばが南海ハーツに圧勝。限りなく優勝に近づいた、力強い勝者だった。
 本来、両チームの力の差はここまで大きくはないはずだ。ともにライバルと思っているチーム同士である。しかしこの点差が現時点での本当の差だと思う。
 どちらのチームも各選手はもちろん試合に全力で臨み、ワンプレーを大切にし、必死に戦っている。それは序盤の接戦が証明している。しかし最終的な結果は、記憶にないほどの大差。久しぶりの優勝に向けてチーム一丸で1勝を掴みとったあしたばと、Gリーグ3連勝から4連敗と逆V字飛行をしてしまった南海ハーツ。
 まずは試合前の準備から各選手の意識を共有し、整えていく必要があるだろう。7月のGリーグ第6戦、新宿ブンブンの集合の早さ、整然と8列に並んだキャッチボール風景、そして総勢16人のトスバッティング。この日は序盤から劣勢を強いられたハーツだったが、最終的な点差は2。あと一歩で逆転できなかった要因は、心構えを含めた、準備の差だと感じる。

 いろいろと考えさせられるこの夏。
 南海ハーツの選手には、甲子園好きも多い。チームのLINEグループでは、毎日のように高校野球の話題に花が咲いている。そこにあるのは、ひたむきなプレーの美しさ。目標に向かい、努力する姿。チームの結束で、ひとつになる心。だから観衆は、毎夏、感動する。
 十代の彼らから見たら、ハーツの選手はその何倍もの人生を既に生きている。若い時代に戻ることはできないが、年を経てもなお、飽きることなく何十年も白球を追い続ける姿が、草野球のグラウンドにはある。たとえ不格好でも、試合後の飲みが大切でも、毎週2時間の野球の楽しみのために球場に集まるオジサンたちの姿は、高校球児とはまた違った意味で美しいのだと思う。野球は3年だけではない。学生を卒業してからでも、「甲子園への夢」から「楽しみ」へと目標をシフトすれば、その何倍もの時間、野球に親しむことができる。
 草野球という、たったひとつの共通テーマのもとで、年齢も職業も違った選手たちが出会い、同じ時間を共有する。こんな素敵な趣味ってないんじゃないか、そんなことを思う。チームメイトへのリスペクト、対戦チームや審判への感謝の気持ち、一つひとつの大切なことを積み重ねていけば、きっと素晴らしい野球チームが形作られていく。
 南海ハーツは20年以上の伝統あるチームだ。これだけ長い間、続けてこられたのは、チーム運営への各選手の協力、気遣い、思いやり、優しさ、そして寛大さがあったからだと思う。ハーツは、毎試合、笑顔があふれる魅力的な野球チームだ。せっかく出会った仲間たち。その和を、今までも、これからも継続していくことへの、チーム一人ひとりの意識と努力、これがいま何よりも大切だと思う。

【文責・背番号6】

コメント

コメントフォーム

表示:PC