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週刊ハーツ

2020.11.07

11月07日 東京ジャンクス戦 7-8

2020年11月7日(土)13:00~16:00
篠崎公園B地区鹿骨野球場1面(ホーム)
フリーマッチ
【南海ハーツ vs 東京ジャンクス】

H 411 000 100    7
J  003 000 023x  8

投:今泉-久原-矢野-高松-住吉〔負〕
捕:筒井

本塁打:なし
三塁打:なし
二塁打:なし

 1 (中)久原【24】
 2 (二)矢野【32】
 3 (投)今泉【63】
 4 (三)横井【 6 】
 5 (遊)住吉【51】
 6 (捕)筒井【18】
 7 (左)古川
 8 (右)山崎※
 9 (指)太田【16】
10(一)高松【49】
※は助っ人

★ハーツ表彰★
殊勲賞=なし
敢闘賞=矢野(待望のハーツ入団初ヒット! おまけに初タイムリー、マルチ安打。投球も圧巻)
技能賞=筒井(声良し、9イニングスの鉄人フルマスク。適時打に、気迫の捕邪飛キャッチ)
技能賞=太田(横井、矢野、古川を従え、ハーツ最大派閥の長に。太田幹事長誕生か)
守備賞=住吉(ピッチャー、ショートだけじゃない。センター、サードでも発揮する守備力)
守備賞=古川(レフトへの大飛球を背走キャッチ。ハーツの歴代左翼手に並ぶ実力)
山山賞=なし

動画(前半)はコチラ
動画(後半)はコチラ

 3時間枠、9イニングス制で行われた東京ジャンクス戦。さまざまなトピックスがありましたが、この試合は矢野選手でしょう!

 1回表、先頭の久原が四球を選び出塁すると、打席に入るのは矢野。高松監督が期待を込め、2番に抜擢した。二十代コンビの1、2番誕生だ。
 今年の6月、南海ハーツに正式入団した矢野は、安定したセカンド守備で内野を引き締め、既にチームに貢献しているが、打撃に関しては何とここまでノーヒット。毎試合、各選手からは「早く1本を」と声をかけられていた。もちろん、一番その気持ちが強かったのは本人に他ならない。
 この打席の矢野は、ひと味違った。久原の二盗、三盗をサポートしながら投球をしっかり目に焼きつけると、スリーツーからバット一閃! きれいなライナーはセンターの左で跳ね、待望のハーツ入団初ヒット〔中〕を記録。しかも初タイムリーのおまけ付き。同年代の久原が手を叩いてホームインする。当然、ベンチも盛り上がる。ハーツにとっては最高のスタートだ。

 気分を良くした矢野は二盗を決め、バッテリーエラーの間に三進。3番今泉は死球後に盗塁。4番横井の打球は力のないキャッチャー前への小フライになったが、ワンバンでキャッチした捕手の送球が一塁に間に合わず、その間に矢野がホームイン。続いて一塁への牽制エラーもあり、今泉も生還。そして5番住吉〔左〕は強烈なライナーをサードへ。強襲ヒットとなり、4点目。住吉も二盗、三盗を決め、6番筒井も四球で出塁。
 ここで打席に入るのは、3年ぶりにハーツ野球に参加となる古川選手。太田、横井、矢野が所属する校正会社のメンバーで、もしこれが政治の世界なら、この試合には太田派が勢ぞろいだ。高校野球経験があり、体格もいい右投げ左打ち。長打力が魅力の選手だ。この打席でもいきなりライトへ特大ファウル〔右〕。潜在能力の高さを感じさせた。

 ハーツの先発は今泉〔左〕。先頭打者から三振を奪うと、ファーストフライ2つで三者凡退。このまま2回までパーフェクトピッチング。上々のスタートを切る。
 2回のハーツは高松
〔中〕の四球を起点に、内野ゴロで1点追加。3回には筒井〔右〕のセンターへのヒットでさらに1点。6-0と順調にリードを広げた。
 ジャンクスもこのまま押され続けるわけにはいかない。3回裏に打線が奮起し、2本の二塁打などで3点を奪い、盛り返す。

 3点差となり力を得たジャンクスの先発投手〔左〕は、制球が定まり始め、直球に力もあり、4回からは完全に立ち直る。このイニングを無失点に抑え、流れがジャンクスに傾きかける。高松監督はここで思い切った継投に出る。前週で投手デビューを飾った久原、矢野に中盤を託したのだ。
 4回に登板した久原〔中〕はストライクを取るコントロールがある一方、粗削りな分、荒れ球もあり、これが打者から見ると的を絞ることができず、なかなか対応しづらい。ヒットと四死球で二死満塁のピンチを招くが、最後はセカンドフライで点を与えない。ランナーを背負っても慌てない強心臓ぶりはピッチャー向きで、何よりデビュー試合から連続無失点は十分に褒めてよい。
 5回からマウンドに登った矢野〔右〕は、やはり球速が魅力だ。この回は久原がセンターの守備で矢野を助け、2つのフライを確実にキャッチするとともに、飛び出した二塁ランナーを刺してダブルプレーを完成させる。1、2番でコンビを組んだ感触が良かったのか、ディフェンスでも連係を深めた格好だ。矢野は未知なる領域へ。前週は久原とともに1イニングずつの登板だったが、矢野は2イニング目も任された。ここでいきなり無死二三塁のピンチを背負うも、サードゴロ2つに三振と、落ち着きはらったマウンド捌き。5回、6回をこちらも無失点で抑え、2人で見事なセットアッパーとなった。

 追加点が欲しいハーツだったが、5回は横井〔左〕のレフトへの安打のみで無得点。6回にはラストイニングとなった背番号0の先発投手がエンジン全開で2奪三振を含む三者凡退のピッチング。7回表、2番手投手から、矢野がしぶとく一二塁間を抜き出塁〔右〕。5カ月間苦労してきたのがウソのように、マルチヒット達成だ。やはり、この日は持っている。盗塁、三進後、ワイルドピッチでホームイン。貴重な追加点を1人で生み出した。

 7回裏は高松〔左〕が登板。簡単に二死を取ると、その後は2つの四球を与えるが、9番打者の大きなレフトフライを古川選手がバックしてナイスキャッチ〔右〕。守備賞にも選ばれる好守でチームに貢献。

 久原、矢野、高松が無失点リレーでつなぎ、8回からはクローザーの住吉〔左〕がマウンドへ。5投手の豪華リレーはなかなか見ることができないが、9イニングス制ならではと言えるだろう。ハーツとしては最も投手実績のある住吉に託したことで盤石の態勢に。
 しかしここからジャンクスが驚異の粘りを見せる。この回先頭の10番打者がきれいにセンター前へ弾き返すと、次の打者は死球。無死一二塁から、12番が放った打球はサード前への緩いゴロ。横井は間に合うと思い一塁送球するが、若干左に逸れてしまい、ファーストが一塁を踏めずセーフに。無死満塁とピンチを広げてしまう。ここで住吉は渾身のストレートを投げ、この試合フルマスクの捕手・筒井〔右〕がキャッチャーファウルフライを好捕。立ち直ったかに見えた住吉だったが、2番には惜しくも押し出し四球。3番は投ゴロで本封し、1失点で凌ぐかと思われたが、4番はまさかの打撃妨害。もう1点を失うことになり、7-5と2点差に。最終回を前にどちらが勝ってもおかしくない接戦となった。

 ジャンクスのリリーフ投手の前に7回の1点しか奪えなかったハーツは苦しい展開。
 そして9回裏にはあっけない幕切れが待っていた。2連続四球とワイルドピッチ、振り逃げで無死満塁となり、迎えるのは背番号6の9番打者。7回に特大飛球を放った、長打力のある選手だ。ここで彼の思い切りの良さが素晴らしかった。初球をフルスイング〔左〕した打球はライナーでセンターの右を襲う。ボールはフェンスまで転々…。塁上の走者は全員が全力疾走。あっという間に走者一掃〔右〕のサヨナラ二塁打となった。

 ハーツサイドからは常に優位に試合を進めているように見えた。しかし、ジャンクスの戦いぶりは見事としか言いようがない。先発投手は序盤こそ制球の乱れもあったが、中盤以降は球威も増し、投球が安定して6回を5奪三振で追加点を与えない。リリーバーも3回を3奪三振で最少失点。打線は数少ないチャンスで確実に得点し、終盤の集中力は特筆される。4点差を逆転する力強い攻撃で、東京ジャンクスが南海ハーツを8-7で下した。

 敗れたハーツだったが、内容的には収穫の多い試合である。矢野の初ヒット、5人の投手リレー、筒井、住吉の勝負強い打撃、古川選手の久しぶりの野球復帰などなど、今後の試合には大きな期待を持てる。何より、若手投手の台頭で、住吉投手のハートに火がついたのも大きいのではないだろうか。野球に悔しさは付きものだ。だが、この悔しさが選手を成長させてくれる。気持ちを切り替え、次の試合にまた万全の準備をして臨む。これができれば、チーム全体がもうひとつ上の階段をのぼっていけるだろう。
 次週のGリーグ第7戦は、独走態勢に入っていたあしたばを勝率では上回った中野マシンガンズ戦。そこに挑むかたちで、まだ優勝の可能性が消えていない南海ハーツは全力で向かっていく。優勝への細く強い糸を、第8戦まで保ち続けていこう。

【文責・背番号6】

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